ねもと歯科クリニック、院長の根本有紗です。
早いもので、もう11月ですね。すっかり札幌は寒くなってきましたね。
先日導入したインビザラインのお問い合わせもたくさんいただいております。ありがとうございます。
そんなインビザラインですが、まだまだ分からないところもある方も多いと思いますので、今回はインビザラインのメリットおよびデメリットについてご紹介したいと思います。
矯正治療と言っても色々な方法があり、新しい治療方法であるインビザライン治療にも、メリットとデメリットがあるので、歯並びの治療法で迷ってらっしゃる方のお役に立てると幸いです。
執筆者については『ねもと歯科クリニック院長紹介』をご覧ください
インビザラインとは?
まず、インビザラインの基礎知識を簡単におさらいします。
インビザラインとは、以前のワイヤーでの矯正のように直接装置やワイヤーを歯につけるのではなく、マウスピースを用いて歯を動かす、いわば『マウスピース矯正』のひとつです。
今までのマウスピース矯正との違いは、技工士がマウスピースを製作するのではなく、コンピュータで少しづつ歯を仮想で動かしていったものを3Dプリンターで製作することにより、1度の型取りで治療の最初から最後の段階までのマウスピースを全て1度に作成できる治療方法です。
米国アライン・テクノロジー社は、
1999年、マウスピース型矯正治療「インビザライン・システム」を、米国の矯正歯科医師を対象に提供を開始いたしました目立たず、透明に近い、取り外しが可能な新しいアプローチの歯科矯正インビザライン・システムは、
アライン・テクノロジー社について|インビザライン公式HP
現在、世界100カ国以上の国々で提供され、
これまでに420万人を超える患者様が治療を受けられています(2016年12月現在)
『ねもと歯科クリニックのインビザライン治療』についてはこちらから
インビザラインのメリット
目立ちにくい
マウスピース矯正を選択する上でのメリットの一つです。
装着するマウスピースは透明なので、歯の表側に矯正装置を装着する方法などと比べて、非常に目立ちにくいというメリットがあります。
ただし、歯の表面にアタッチメントという歯と同じ色の突起をつけたり、透明ではあるものの、歯の表側にマウスピースがはまっていますのでえ、かなり目立ちづらいがまったく見えないという訳ではないのではその点は注意が必要です。
より目立たない方法をご希望の場合には、裏側に装置を付ける裏側矯正(舌側矯正)という方法もあります。
裏側矯正についてはこちら『目立たない矯正治療|インビザラインVS裏側矯正』『ねもと歯科クリニック|裏側矯正』もあわせてご覧ください。
通院頻度が少ない
コンピューターにより歯の動きをシミュレーションするインビザラインは、マウスピース毎に型取りをしてマウスピースを作成する必要が無いため、通院頻度を大幅に少なくする事ができます。
そのため、住んでいる地域の近くで歯列矯正ができるよいクリニックがない、という方でも無理なく通院する事ができます。
ワイヤー矯正や毎回型取りが必要なマウスピース矯正は、1か月に1回程度の通院が必要ですが、インビザラインは通常2~3ヶ月に1度程度の通院で済みます。
遠方の方ですと、マウスピースの装着状況や歯の動きがよければ、半年に1回や1年に1回程度の来院でも問題なく治療が進んでいきます。
実際、ねもと歯科クリニックでは最も少ない方ですと抜歯矯正でも5回程度の来院で終了した方もいらっしゃいます。
ワイヤーの矯正にくらべて虫歯になりにくい
通常ワイヤーの矯正では、矯正装置やワイヤーを直接歯につけてしまうため、歯の表明に凹凸が増えることにより歯磨きが非常に難しくなります。
通常の時に比べて、歯磨きが約3倍くらいの時間がかかってしまうといわれています。
インビザラインは、ご自身で着脱可能なマウスピースを用いた矯正方法であるため、食事の時と歯磨きの時はマウスピースをお外しいただきます。
そのため、歯磨きにかかる時間も矯正を始める前とほとんど変わらず、虫歯のリスクも少ないです。
マウスピースを約1週間に1回交換できるので非常に衛生的
同じマウスピースの矯正でも歯科技工士が作成するものは何枚も大量に製作できるわけではありません。
2週間~1か月間同じマウスピースを使用していただくこともあるため、マウスピースも不衛生になりがちです。
その点、インビザラインは3Dプリンターを使用してマウスピースを作成するため、大量にマウスピースを製作いたします。交換は約1週間~2週間に1回なので、汚れてきてもすぐに交換ができ、使い捨てコンタクトレンズのような感覚でご使用できます。
ワイヤーの矯正に比べて親知らず以外の健康な歯を抜く可能性が低くなる
こちらは治療内容のお話になります。
このインビザラインというシステムは歯を後ろに下げるという治療を得意としています。
ワイヤーを使用した治療ですと、ミニインプラントを使用して引っ張ったり、隙間が足りないといって健康な前から4番目、5番目の歯を抜くことも多かったかと思います。
全ての症例で親知らず以外の歯を抜かない。。。
とはならないのですが、ワイヤーですと抜歯をしていた患者様の約半分がこのインビザラインですと抜歯をなしで治療することが可能になってきています。
前歯がかみあっていない『オープンバイト』というワイヤーでなおしにくい治療が簡単に治りやすい
これもまた治療内容のお話で少し難しいお話になるのですが、『オープンバイト』いわゆる前歯のかみあわせが当たっていなくて奥歯のみで噛み合わさっているかみ合わせの方、また口が開いたままのような状態のかみ合わせの方の治療がとても得意なシステムです。
ワイヤーでは歯のがたつきがほとんどなくても歯を抜かないと治せなかったこの『オープンバイト』ですが、歯を抜かずに治療できる場合も多くあります。
『インビザラインによるオープンバイトの治療』についてはこちらの記事もご覧ください
治療終了後も保証期間内なら低価格でやり直しが何度でも可能
インビザライン治療開始から2~5年間保証があります。
ワイヤーでの治療は装置を外してしまえば、やっぱりもう少し前歯を下げたかった。。。
となってもまた装置の再装着料がかかってしまいます。
その点インビザラインは歯型をもう一度採りなおせば、治療のやりなおしも何度でも低価格で行えます(クリニックにより一部異なる場合もあります。)
信頼度が高いマウスピース矯正方法
現在は複数のマウスピース矯正システムがありますが、インビザラインはマウスピース型の矯正治療方法として世界一の実績があります。
日本では2006年から提供されていますが、適応できる歯並びの範囲も広く、2022年6月には治療数が世界中で1300万人を超えたと報告されています。
インビザラインのデメリット
マウスピースを一日20~22時間の装着が必要
このインビザラインシステムは食事の時、歯磨きの時以外はほとんどつけっぱなしにしていただくことを前提としたシステムです。
マウスピースは薄いのですが、多少の違和感はあるためだんだんと装着時間が短くなってしまいがちです。
装着できない時間が多くなりますと、歯もしっかり動きませんので、装着を習慣づけることがとても大切になります。
また食事後は毎回歯磨きをしていただいてからマウスピースを装着していただく形となりますので、食後すぐ歯磨きをできる環境かどうかも確認が必要です。
『歯に全く何もつけなくていい』わけではない
「マウスピースの矯正」と聞くと歯に何もつけなくていいのかな。と思ってしまう方も多いと思います。
インビザラインは丸い歯も3次元的にコントロールしてしっかり動かすために、歯の色と同じ色の小さいプラスチックの突起をそれぞれの歯に設置します。(前歯だけどうしても設置したくないなど、可能な限りご要望に沿うようにもできます。)
ですので比較的審美的な装置ではありますが、歯に何もつかない、全く治療を気づかれないものではありません。
表側に装置をつける矯正と比較すると治療期間が少し長くなる場合がある
マウスピースの矯正は歯を抜かずに後ろに動かすことができると申し上げましたが、後ろに動かす治療は、とても時間がかかります。
順番に1本ずつ歯を後ろに下げていくので、全体の矯正では約半年~1年程度、治療期間が長くなる場合があります。
一般的にワイヤーの矯正でも歯を抜かないプランで治療可能な場合はマウスピースの治療も比較的早く治療を終えることができるでしょう。
表側に装置をつける矯正と比較すると費用が高い
インビザラインシステムはアライン社という会社に治療の手順やマウスピースの製作を依頼し、クリニックは治療の方針を決定するといった役割分担があります。
その関係でクリニックは約半分程度の費用をアライン社に支払わないといけません。装置代と比較すると、マウスピースの製作費用が高く、その分が上乗せされてしまい、全体の治療費は表側の矯正に比べると高くなってしまいます。
裏側に装置をつける舌側矯正もオーダーメイドで装置の位置を決める必要があり、装置の製作にインビザラインと同等程度の費用がかかるため一般的にインビザラインと舌側矯正(裏側矯正)は同じくらいの料金設定のクリニックが多いです。
費用の支払いが前払いになってしまう
ワイヤーでの矯正治療の場合、装置をつけてからも月に1度きれいに並ぶよう調整を続けていかないと歯はきれいには並びません。ですので、ご費用のお支払いも治療終了までの分割という形で承ることもできます。(一部できないクリニックもあります)
しかし、インビザラインの場合はコンピュータ上でシュミレーションし、治療終了までのマウスピースが全て一括でクリニックに到着します。効率的で患者様の調整へのご来院回数も少ないのでとてもよく思えるのですが、治療終了までのマウスピースが全てクリニックに届いてしまうため、患者様には前払いでご費用をいただく事となってしまいます。
当院では一括現金以外でも対応できるよう現金でのお支払いの他、カード払いやデンタルローン等も対応しておりますが、ワイヤー矯正のような治療終了までの分割というお支払い方法をとることが残念ながらできません。
インビザラインを検討する際の注意点
歯科医院選びのポイント
インビザラインでの治療を提供している歯科医院はとても多くなってきました。
数多い歯科医院の中から、良い歯科医院を選んでいくにはどの様なポイントに注目して選定していけばいいのでしょうか。
いくら信頼性のあるコンピューターを使った精密なシミュレーションシステムとは言え、想定外の歯の動きをする事もあります。
そのため、インビザラインだけでなくワイヤー矯正など他の矯正治療を含め、歯科治療経験の豊富な医師の方が、治療中の不測事態を未然に防ぐ事ができる可能性が高く、トラブルの際のリカバリーが出来るため安心と言えます。
インビザラインをはじめ矯正治療については治療の無料相談を受付ている歯科医院も多いため、治療を受ける歯科医院を選ぶ場合には何件かは相談に行き、担当医師の治療経験などを聞いてみるのがよいかと思います。
また、治療中は何かと気になる事や要望も出てくるものですので、担当医師とのコミュニケーションの取り易さやは重要です。
担当者が治療の途中でコロコロと変わってしまったり、通院した時に担当医師と話せる時間がほとんど取れないような診療体制の医院では満足いく治療結果が得られない可能性がありますので、担当医との相性も含めて気兼ねなく相談できる体制かどうかを気にしてみましょう。
プラン選び
インビザラインは作成できるマウスピースの枚数や、再作成できる回数によっていくつかのプランがあります。
制限の無いプランが最も治療の適応範囲が広いのですが、治療費も高く歯並びによってはオーバースペックな場合もあります。
枚数制限のあるプランでも十分治療可能な場合もあるので、ご自身の歯を診てもらった上で担当医師に相談してみると良いです。また、シミュレーションを行った上でプランを決める(もしくは変更)する事もできる医院もあります。
治療期間について
矯正治療は歯科治療のなかでも治療期間が長い治療となります。
カウンセリングの際やシミュレーションを行った上で大まかな治療期間は分かるものの、歯の動きは人によって異なったりします。
そのため、治療期間はあくまでも目安とお考えいただき、必ずその時点で治療が終えられると確約されているものでは無いのでご注意ください。
自己管理
インビザラインはマウスピースをご自身で取り外しできるといったメリットがあるものの、その分治療中の自己管理が非常に重要となります。
マウスピースを外している時間は、歯が計画した位置へ動かないだけでなく、逆に元の位置に戻っていく動きをしてしまいます。
また、外したマウスピースを紛失してしまうといったケースもままあります。
そのため、基本的にはマウスピースは常に付けつづけるといった管理をご自身でしっかりとできるかどうかも検討のポイントとしていただければと思います。
矯正治療後の保定
インビザラインに限らず、矯正治療後は歯が元々の位置に戻ろうとする動きが生じます(後戻り)ので、治療後の位置で動かないようにするために保定というものを行う事となります。
保定期間は最低でも矯正治療を行った期間と同程度は必要と言われています。
また、歯は口の周りの筋肉や舌の圧力によって、常に少しずつ動き続けています。
そのため、保定期間には「いつまで」といった正確なものはなく、歯の状態をみつつ担当医と対応を相談していく事となります。
矯正治療後の保定方法や金額についても、治療開始前に確認しておくと安心です。
さいごに
いかがだったでしょうか?
最近は歯科もコンピュータを使用した最新の治療がたくさん出てきています。その中には革新的なものもたくさんあるのですが、全て完璧というわけではありません。
インビザラインもとても素晴らしい治療ですが、メリットもあればデメリットもあります。
歯列矯正は高額なので治療を決めてしまう前にしっかり自分に合った治療かをしっかり検討していただけるとよいかと思います
ねもと歯科クリニック~大通はならび矯正インプラントオフィス~では、インビザラインをご検討の患者様の無料カウンセリングを行っております。
当院は自由診療を比較的低価格でご提供しているクリニックです。
ぜひご相談をお待ちしております。
ねもと歯科クリニック|札幌・大通りエリアの矯正歯科
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