こんにちは、ねもと歯科クリニック院長の根本有紗です。

歯列矯正と言えば、大人ではなく子どもの頃から行うもの、または子どもの頃にやった方がいい、と言った話もよく聞きますよね。それは本当なのでしょうか。

子供の頃には学校や部活動、受験などで忙しくて治療がなかなかできなかったが、やっぱり歯並びや横顔が気になっていたので、今から治療をしてみたいなんて方も多いのではないでしょうか。

特に昨今の日本人の歯に対する意識や関心の高まりも受けて、年齢を問わず矯正治療を検討する人は非常に増えてきている印象があります。

本日は「大人の矯正」に注目して、大人になってから矯正治療を行うことでのメリット・デメリットや、どんな方におススメなのかなどを解説していきたいと思います。

大人の矯正について

まずは大人になってから歯列矯正はできるのでしょうか、という事ですが、結論から言えば年齢は関係はありません。
ただし、大人になると歯周病や虫歯で歯の状態が悪いとできない場合もありますので、年齢ではなく歯や歯茎の状態によってできるかどうかが決まります。

次に治療を始めるタイミングですが、大人の方であればできるだけ早い方がよいです。
それは年々歯茎や歯の状態が悪く、歯列矯正治療ができなくなってしまう場合があるからです。

歯列矯正を行ってきれいな歯並びを手に入れれば、見た目がきれいになり、口元を手で隠したりせず、大きい口を開けて笑う事ができます。
またお手入れもしやすくなるため、今後の虫歯や歯周病予防にも効果があります。

さらに「口元が閉じづらい」「ゴボ口が気になる」など口元のたくさんのお悩みを解決してくれるとてもおススメの治療法です。

大人になってから治療を行う事でのメリット

子どもの頃に歯列矯正を行うのに比べて大人から始める矯正治療はよくないのかというと、そうではありません。
大人になってから治療を行うことでのメリットもあります。

見た目

治療によってより美しい口元に改善できるという点は、矯正治療を行う上での重要なメリットの一つでしょう。
大人になってから矯正治療を行ったとしても、こちらは問題なくしっかり改善できます。

笑った時の歯のガタつきが気になって思い切り笑顔を出すことができない。。など、見た目のコンプレックスが改善され、より気持ちよく生活できるようになれるでしょう。

矯正装置の管理

子どもの頃とは違って大人になってから矯正を始めるとより装置の管理がしっかりできるので、歯列矯正が成功する場合が多いです。

虫歯のリスク

矯正装置を付けると、どうしても通常よりはブラッシングがし難かったり、汚れが付きやすかったりします。
子供の場合ですと、なかなか長期間自分でしっかりとメンテナンスを続けて行けない場合もあります。

大人の場合には、矯正治療中であることを理解して歯みがきも丁寧にできるため、治療中の虫歯にもなりにくいです。

成長による影響

大人になってから矯正治療を行う場合には、子供と違って成長によって歯並びがずれてしまう心配がありません。

想定外の歯の動きによって治療期間が延びてしまったり、費用負担が増えてしまったりする心配が少ないとい点は、大人になってから矯正治療を受ける場合のメリットと言えるでしょう。

治療期間

子どもは成長があるので成長が終わるまで管理し続けないといけませんが、大人の矯正は顎の成長は終わっていますので、1～３年程度と比較的短期間で短期間で治療を終了することができます。

全体の治療期間が短くなれば、その分治療費の軽減にもつながります。

デメリット

大人になってからの矯正治療においては、骨の成長がないので骨格のゆがみや成長の抑制・促進をする治療は大人では受ける事ができません。
また、大人になると子どもに比べて骨が硬くなるため、歯の動きが少し遅くなる場合があります。

歯根吸収・歯肉退縮

歯の根っこが短くなる歯根吸収、歯茎が下がる歯肉退縮はどちらも子どもでも起こりえますが大人でも同じように起こってくる場合があります。

矯正治療中の痛みや違和感

個人差がありますが、矯正治療中は歯のお痛みが出る場合があります。
また、歯に矯正装置が付くことによる違和感や喋りずらさなどが出てきます。

矯正装置によっても特徴があるので、お仕事や日常での勝手を考えて歯科医師と相談するのがよいでしょう。

治療をぜひやった方がいい人

矯正治療をお考えの方（大人）で、以下のいずれかに当てはまる方は特に矯正治療がおすすめです。

• 歯並びが気になって大きい口を開けて笑えない人
• 歯のガタガタが大きくて歯が磨きづらい人
• 口元が出ているのが気になる人
• かみ合わせが悪く、一部の歯しか使えていない人

治療方法

矯正装置を表側か裏側につけるワイヤー矯正、マウスピースを装着して歯並びを改善させるマウスピース矯正があります。
また、一部の歯のみの矯正を希望の場合には部分矯正という方法もあります。

それぞれ治療方法によってメリットデメリットがありますので、ご自身のライフスタイルや性格に合わせて選んでいただくのがよいと思います。

治療費の相場はおよそ以下のような金額帯となっています。

イメージとしては、見た目が許容できるのであれば歯の表側に矯正装置を付ける方法が最も安価で歯もしっかりと動かせます。
部分矯正に興味のある方は、こちらの『全体矯正？部分矯正？その見分け方』もあわせてご覧ください。

見た目も重要視したいという場合には、マウスピース矯正＜裏側矯正と治療費が上がります。
目立たない矯正治療方法については、こちらの『目立たない矯正治療｜インビザラインVS裏側矯正（舌側矯正）』もあわせてご覧ください。

治療期間は歯並びによっても違いますが、大人の矯正ですと１年～３年程度が目安です。
また、治療方法によって治療期間に多少の違いはあるものの、大きな差は出ないと考えても差し支えありません。

おススメの治療方法

重要視される点とそれに対応するおススメの治療方法はこのようになります。

• とにかく他の人に治療を行っているのがわからないように矯正を行いたい
  ⇒　裏側矯正
• 歯磨きがしやすい・食事を矯正中も楽しみたい・通院の負担を減らしたい・几帳面
  ⇒　マウスピース矯正
• 費用を抑えたい・マスク生活なので見た目は気にならない
  ⇒　表側矯正
• 噛み合わせは重要視しない・早く安く自分の気になる所だけ治療したい
  ⇒　部分矯正

治療の流れ

それでは、実際に矯正治療を開始するまでの流れがどのように進むのかを解説します。

歯科医院の選定

矯正治療については、無料もしくは少ない金額で治療のカウンセリングを行ってくれる歯科医院が多くあります。（HPに記載があるので、ネットで検索すると直ぐに見つかるはずです。）
具体的にどのような治療が必要になるのかは自分では分からないかと思いますので、まずはいくつかのクリニックに相談に行ってみる事から始めるとよいでしょう。

もし、１つ目のクリニックでとてもよい印象があるのであれば、そのクリニックに決めてしまっても構わないかと思います。

矯正治療は、治療期間が年単位と他の治療よりも長く、担当医師へ自分の希望を伝えたりとコミュニケーションを取りながら治療を行っていく場面も多いため、担当医師が自分のフィーリングと合っているかは重要なポイントです。

また、定期的な診療や、矯正装置の破損を修理してもらいに行くなど、通院が必要な場面が意外とあったりしますので、通いやすいかどうかというのも気をつけて考えてください。
遠方だったり仕事でなかなか時間が取れないなどの場合には、通院頻度の低いマウスピース矯正を選ぶといった方法もおススメです。

治療の開始

おおまかには以下のような流れで治療が開始されます。

１．資料取り・治療計画の策定

レントゲン撮影や歯の型取りなどを行ったりします。
抜歯の有無や、どのような希望があるかなど、担当の先生としっかり話し合いましょう。

２．矯正装置の作成

治療方法によっては矯正装置の作成にある程度の時間がかかる場合があります。

矯正治療をお願いしたら、直ぐさま治療を開始できるわけではなかったりしますので、スケジュールも確認しておきましょう。

３．矯正装置の装着（必要な場合には抜歯）

矯正装置の装着は、一度に全て行わず数日に分けて行う場合もあります。
装置を付けてからはお痛みが出る事があります。

通院頻度

通院頻度は治療方法によって異なりますが、月１回～２か月に１回程度と多くはありません。
ワイヤー矯正の場合は月に１回程度、マウスピース矯正の場合には２か月に１回程度が目安です。

遠方からの来院の方はインビザライン等の１度の型取りで治療最終までのマウスピースが作れる治療方法もあり、半年に１回程度の来院でよい場合もありますので、カウンセリングの際などに確認しておくとよいでしょう。

保定

歯は、矯正治療が終了した後そのままにしておくと、矯正治療前の元の歯の位置に戻っていってしまいます。これを後戻りと呼んでいます。

後戻りを防ぐため、歯が矯正治療終了後の位置で動かないよう、保定装置という装置をつけます。
矯正治療を終了してから保定装置を装着している期間を保定期間といいます。

それぞれのクリニックの考え方によって期間は変わりますが、一般的には歯を動かすのと同じくらいの期間は保定をしないといけないと言われています。
この時の通院頻度や保定装置の種類、保定装置修理の費用等も医院によって様々ですので確認しておくとよいでしょう。

まとめ

矯正治療は子供のうちに行うものというイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、大人になってから歯並びを改善したいという方も多く、大人でも歯列矯正治療は遅くありません。

当院は矯正治療をご希望される方が多くいらっしゃいますが、そのほとんどは大人の方です。

矯正治療は、見た目の改善と共に健康の向上も期待できる、とてもおススメな歯科治療です。
最近はカウンセリングも無料で見積書だけ出してもらって検討できる所も増えていますので、歯並びが気になる方は無料相談に行ってみるのもよいでしょう。

札幌やその近郊の方はねもと歯科クリニック～大通はならび矯正インプラントオフィス～でも歯列矯正の無料相談を行っています。
強引な勧誘もありませんので、お気軽にご相談下さい。

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