こんにちは。ねもと歯科クリニック院長の根本有紗です。
本日は「即日お手軽に保険を使って白い歯にできる」コンポジットレジンという治療方法についてのご紹介です。
虫歯になってしまった場合、削った部分を何らかの方法で詰めなければなりませんが、できれば色が目立つ銀歯を入れるのは避けたいですよね。
白い歯と言うと、自費治療のセラミックなどですごくお金がかかってしまうというイメージがあり、何だかハードルが高い気がしませんか?
ところが、今はセラミックではなくコンポジットレジンという物を使って、簡単に白い歯にする事ができるんですよ。
しかも、こちらの治療は保険を使って受ける事ができるのでとってもリーズナブル。その上、治療に行ったらその日のうちに治療が完了し、白い歯で帰る事ができるという手軽さ。
目次
光を当てて固める!?コンポジットレジンとは
時々テレビなどで取り上げられることもあるコンポジットレジンですが、こちらはいったい何物なのでしょうか?
とっても簡単に言うと歯科の詰め物用につくられたプラスチックです。
この様な感じで注入器に入っていて、使用前はトロッとした白い液状の物です。
細かい成分はちょっと難しいのですが、こんな感じです。
コンポジット(composite)とは混合の/複合の、という意味で、レジン(resin)とは樹脂(プラスチック)のことです。
コンポジットレジンは、レジン(resin)とフィラー(filler)という成分が混合されて出来ています。
フィラーとは、シリカ(ガラス)やジルコニア、セラミックなどの粒子のことで、レジンの強度や審美性を高めるために混合されています。
フィラーを入れることで、レジン単体よりも強度が上がり、透明感が出ます。
歯科用プラスチックと呼ばれたり、省略してレジンと呼ばれることもあります。コンポジットレジンとは|Shibata Dental
こちらの素材を青い色のライトで照射すると、不思議なことに数秒~数十秒でカチカチに固まってくれるんですね。
簡単に言うと、このコンポジットレジンという素材を削った箇所を詰めて固めるという治療方法になります。
既に入っていた小さな銀歯が取れてしまった場合など、次は目立つ銀歯にはしたくないという場合には、この方法で簡単に白い歯にする事ができます。
その日のうち治療完了 コンポジットレジンの治療方法
1.虫歯の部分を削る
まずは虫歯の部分を削って除去していきます。この際、コンポジットレジン治療では虫歯の部分だけを削ればよいため、削る量を最小限に抑える事ができます。
銀のインレーを入れる場合などは、その性質上どおしても削る量はこれよりも多くなってしまいます。
2.削った部分に接着剤を塗る
コンポジットレジンと歯を接着するためにボンディング剤という接着剤のようなものを塗ります。こちらの接着剤も、接着力が高いものや操作性の良いものなど、素材の技術進歩がめざましところです。
3.コンポジットレジン(プラスチック)のペーストを詰める
歯に合った色を選定し、削った部分にコンポジットレジンのペーストを詰め、形を整えます。全てお口の中での細かい作業となるため歯医者さんの技術が要求されます。
4.光でプラスチックを固める
コンポジットレジンは光を当てる事によって固まります。以前は固まるまでに時間を要したのですが、現在は数秒~数十秒という時間で固まるようになっており、飛躍的に時間が短縮されています。
固まるまでの時間が短い事によって、コンポジットレジンに唾液が付いてしまい、割れやすくなってしまうといったリスクが軽減されています。
5.形と噛み合わせを整える
咬合紙という赤色の紙を噛んでもらい、噛み合わせを確認します。
「かちかち噛んで、ぎりぎり歯ぎしりしてくださ~い」と言われているのはこの行程です。
患者様ご本人にも違和感がないかを都度確認して細かく調整していきます。
6.完成
最後は表面を磨いてツルツルにして完成です。
この間わずか15~20分程度。歯を削ってから型取りをし、銀歯が出来るのを数日待つのと比べると、びっくりするぐらい早いですよね。しかも、隣りの銀歯と比べると全然目立たずとっても綺麗です。
適応症 強度の問題で使えない場合あり
最近のコンポジットレジンは素材の進化もあり、詰め物ということであれば使える部分がとても多いです。しかし、歯ぎしりや食いしばりのある方や、噛み合わせの強い部分では、どうしても強度が足りず銀歯という選択肢になってしまう場合もあります。
コンポジットレジンが使える場合
- ● 前歯の詰め物
- ● 噛み合わせの強くない奥歯の詰め物
コンポジットレジンが使えない場合
- ● 歯ぎしりのある方
- ● 食いしばりのある方
- ● 神経を取ったり、大きい虫歯で被せ物(クラウン)が必要となった場合
- ● ブリッジの素材として使用する場合
耐久年数
約5~10年(変色を気にしなければ20年、30年もつ場合もある)
コンポジットレジンを接着する際に使用したボンディング剤に水分が入ってしまったり、詰めた際に中に気泡が入ってしまったりすると耐久年数が落ちてしまいます。
歯医者さんの治療技術によって耐久年数が変わってきますので、しっかりとした技術を持った先生に丁寧に治療していただきたいところですね。
金額
保険適応で1,000~1,500円/本程度(部位や範囲にもよる)
自由診療となるセラミック治療の金額と比較すると断然お安いですよね。
『セラミック治療金額表』にねもと歯科クリニックの治療金額を載せていますのでぜひご覧ください。
メリット 白い早い安い
- ● 色が白いので銀歯と比べて見た目が良い
- ● その日のうちに治療を完了する事ができる
- ● 削る量を最小限に抑えられる
- ● 保険が使えるため値段が安い
デメリット 強度がやや劣る
- ● 銀歯と比べると強度が低いため、噛み合わせの強い場所はNG
- ● 色や形など、施術する歯科医師によって仕上がりに差が出る
- ● 長い間使っていると着色してくる
有紗先生 治療へのこだわり
それでは私共の医院の宣伝もちょっとだけさせていただきます。
ねもと歯科クリニックでは様々な勉強会に参加し、保険治療であっても、自費治療のように審美性や耐久性を考慮した治療を行っています。
8種類の色を組み合わせご自身の歯に近い色をつくる
「保険治療なので審美性は求められません」と言った事は言わず、できる限り自分の歯に近い色を選択しています。色だけでなくその透明度によっても色を使い分けます。
また内面が着色をした歯には内側に遮光性のある素材を用いて、外側に透明感のある素材を用いる等の配慮もしております。
使用する材料に関しても保険治療では1色や2色のみしかない医院さんもあるのですが、遮光性のある、なし等を含めると合計8色の中から使用する材料を選択し、何色かの色を混ぜて治療を行っております。
全メーカーを比較して材料を厳選
全てのコンポジットレジンメーカーの強度を比較し、その中から厳選した材料を使用しています。
接着剤に関しても素材の比較、使用方法の厳守によって、うちの医院で詰め物が外れたという患者様はほとんどいらっしゃいません。
コンポジットレジン治療を行うにはどこにいったらいいの?
実はほとんどの歯科医院でコンポジットレジン治療を行っており、できないという歯医者さんはほぼないでしょう。しかし、治療方法に関する考え方は歯医者さんによって様々なので、その使用頻度はかなり違っていたりします。
まだ素材の機能がいまいちだった頃のイメージが強く、銀歯の方を採用しがちな先生もいらっしゃいますし、白い歯は自由診療でしか扱わないという方針の医院もあったりします。
ですので、あらかじめホームページやパンフレットで、「なるべく歯を削らずに保険で白い歯にできますよ」と書いてあるような医院だと安心ですね。
まとめ
実はコンポジットレジン治療はけっこう昔からある方法です。近年は特に素材の進化がめざましく、とてもよい治療方法としておすすめできます。
ねもと歯科クリニックではコンポジットレジン治療を積極的に使っており、 歯を削る量を最小限に抑え、審美性を求めた治療を追及しています。
コンポジットレジン治療は優れた治療方法であるものの、治療を繰り返すことによって歯はどうしても削られていってしまいます。そして、詰める範囲が大きくなると、銀歯になってしまう場合もあります。
優れた治療方法があるとはいえ、ベストはやはり虫歯になってしまう前に予防するというのがとっても重要です。予防の重要性については『歯のクリーニング・メンテナンス』にも詳しい内容を載せていますので、併せてご覧ください。
虫歯は歯周病は定期的なメンテナンスよって予防する事ができるものなので、新たな虫歯を作らないようにぜひ定期的なメンテナンスを受けられることをおすすめします。